有料老人ホームなど、あなたが勤務する施設には、日課計画を担当する方はいらっしゃるでしょうか?
「日課計画担当」「ワークスケジュールダイレクター」「サービスダイレクター」などと呼ばれる方です。まだ、少ないかも知れませんが、私は、少子高齢化の本格到来を前に、スタッフの働き方改革の鍵を握る存在になると考えています。
ケアプランは最も大切な計画ですが、ケアマネジャーがお一人おひとりの利用者(入居者)にとって最適な計画を作ります。一方、スタッフの日課計画は、スタッフたちにとって最適な計画を意味します。組織で(スタッフが分担して)サービスを提供して行く上で、なくてはならないものが日課計画です。ものづくりには、1日の生産計画があるのと同じです。
あなたが、日課計画のご担当であったとしたら、1週間の勤務計画を作り、その中にケアプランで定めたサービスを如何に配置するかに心を砕くはずです。最適とは何か?「入居者にとって心地よく、安全に」、「スタッフにとって無理が生じないように」など指針があるに違いありません。それを実現するためにはプロフェッショナルな知見やノウハウが求められることでしょう。
まだ、介護施設経営者の多くの方は、そのことには気づいていません。現場の努力だけでなんとかなると思っている経営者の方が多いと思うのです。しかし、私は、これからプロフェッショナルな職務として重視されるようになるであろうと感じています。時代の要請がそうさせるに違いないと思います。時代は変わって行きます。例えば、人手不足を補い、あるいは現場の課題を解決するために、介護ロボットの開発も進んでいます。いずれ「施設の仕事全体をみた時に、どこにロボットを導入するのが効果的で、効率的なのか」という問題が注目されることでしょう。この問題が日課計画と無縁であるはずがありません。
以下はこのような日課計画を担当する方へお伝えしたいことです。
新しい施設を担当するあなたであれば、満室になった時に、どのようにしたら最適な計画を作れるかと考えます。その場合には、更地に家を建てるように計画を作ることでしょう。要介護の方々の構成はどのようになるかを想定し、
・ 1日の勤務計画をどのようすべきか、いくつかの代替案をつくりたいと思うことでしょう。
・ 代替案の中から最適な一つを選ぶことができたら、どれだけ自信を持って提案をすることができるでしょう。
また、歴史ある施設のワーキングダイレクターなら、理想的な姿と現実の間にギャップがないか点検することでしょう。
利用者と現場のスタッフのために、最適な計画を作りたいと考えるあなたは、
・ 利用者の要介護度分布が変わってきたことに合わせて勤務計画を修正したい。
・ 食事まで、長い時間を待機させてしまうことがないように改善をはかりたい。
・ あるシフトの勤務時間を30分前倒しにしたら、1日の一番忙しい時間帯が楽になるのではないか、と言ったアイデアの有効性を確かめたい。
と思いを巡らすこともしばしばあるはずです。
しかし、長い時間をかけて出来上がった計画は、組み直すにも勇気が必要です。実際に組み替えた計画を提案すると、賛成してくれる人はほとんどいません。皆、結果に自信を持てないからです。そういう状況では現状維持を選ぶ方が無難だということになります。このような膠着状態を打破するには、どのようにしたら良いでしょうか?
そのような戦いをするあなたに戦える武器を提供したい・・・これが私たちの願いです。
それは「シミュレーション」と「見える化」です。
「シミュレーション」とは、「現実に実験を行うことが難しい物事について、想定する場面を再現したモデルを用いて分析すること(weblio)」とあります。想定する場面とは、「仮」にこういう条件を適用した時に、という意味です。現実に適用するのは難しくとも、「仮」であれば、心理的なプレッシャーもなく、「仮」ならば、結果だけでもみてみようか、という人も出てくるはずです。「仮」の話であれば誰も反対はしません。
そして「仮」にやってみて再現したモデルは、必ず何かを語ってくれます。それが「見える化」です。
・ 代替案は、選択(決定)するまでは、まさに「仮」の案です。いくつもつくり、比較してみれば良いのです。
・「仮」にやってみたら、実現の可能性はどれくらいあるのかもわかります。
・「仮」を実現するためには、他にどのような条件を整えたら良いのかもわかります。
昨今、あらゆるマネジメントの場で「見える化」が注目を集めるようになったのは、それによって、これまで持っていた視点や考え方が改まる可能性があるからだと思います。新たなひらめきが生まれることもあります。重たく膠着した状態に、新たな議論を生む可能性が生まれるからです。
「頭の中ではわかっている」とおっしゃる方が多いのですが、一旦外に出して客観化してみる必要性があるのです。実際に「見える化」されたものには、改めて考えさせる力があります。これが今まで、IT介護マネジメントの日課計画システムを使ってコンサルティングを行なってきた私たちの結論です。
今年はコロナ禍でも、「日課計画改善プロジェクト」を進めることができました。プロジェクト責任者兼日課計画ご担当の方からは、「見える化は私たちの力になった」「何回もシミュレーションを繰り返すことができ、解決案を自信を持って採用することができた」との嬉しい感想をいただきました。このような声がある限り、ご担当の方々に寄り添い、お力になりたいと決意しています。
少しでも、IT介護マネジメントの日課計画改善支援にご関心のある方は、是非、お気軽にお問い合わせください。資料をお送りいたします。また、ZOOMでのご説明の機会もご用意いたします。